今週は、ボブ・マーリーのスリー・リトル・バーズをお届けします。1977年にリリースされたエクソドス(旧約聖書にある出エジプト記の英語)に収録され、1980年にシングルカットされた曲です。
皆さんはボブ・マーリーで何を思い浮かべますか?ボクはボブ・マーリーとレゲエ、ラスタカラー、大麻、ドレッドヘアーはワンセットです。まずは曲紹介も含めて、レゲエについてですけど。
レゲエには独特のグルーヴがありますよね。レゲエ の語源には諸説あるんですが、「ぼろ布」とか「口げんか」という意味のジャマイカ英語という説が有力なんですけど、ボブ・マーリーは「王の音楽」を意味するスペイン語だと言っています。
レゲエを世界的に有名にしたのはやはりこのボブ・マーリーでした。1972年にボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズがデビュー。そして1974年にエリック・クラプトンが、ボブ・マーリーのアイ・ショット・ザ・シェリフをカバーして全米1位に輝いたことでレゲエの認知度がアップしました。
もともとレゲエは、ジャマイカの黒人奴隷としての抵抗、後説で説明しますけど、ラスタ運動といった歴史的経緯から反抗の音楽として発展し、社会、政治、植民地批判と言ったテーマの曲が多いのですが、この曲を含め、ボブ・マーリーの曲ではジャマイカの浜辺で大麻を決めてほのぼのと楽天的な内容のものも人気ですね。
スリー・リトル・バーズは、マルーン5がカバーしてるんですけど、やっぱりどうもいまいち本物のジャマイカ人の縦ノリのグルーヴ感は出せてないように思います。
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気にすんなって。大丈夫だよ。
全部うまくいくさ。
心配ないから。
何もかも、全部うまくいくってば。
朝、目が覚めて、朝日が拝めればゴキゲンってもんだろう?
軒先から3羽の小鳥のさえずりが聞こえてくる。
まるで「あなたへのメッセージだよ~」と言っているみたいだろう?
かわいらしく清らかで真実の歌を歌っているのさ。
気にすんなって。大丈夫だよ。
全部うまくいくさ。
心配ないから。
何もかも、全部うまくいくってば。
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なんかとても気が楽になる曲でしたね。
もとものは反抗の音楽としてのレゲエはラスタファリ運動とも深く関わっています。あの緑・黄色・赤のラスタカラーに象徴されるラスタファリ運動ですが、色にはそれぞれ豊かな大地の緑、太陽の黄色、そして戦って流された血の赤という意味があります。これに故郷アフリカを意味する黒と合わせて4色をラスタカラーといいます。
教祖の存在が無く、教義も成文化されていないので宗教とは見なされていませんが、その考え方は聖書をもとに、アフリカ回帰、エチオピア帝国への回帰の思想として位置づけられています。このラスタファリの生活様式が、ドレッドヘアであり大麻(ガンジャ)の使用と繋がっているわけです。
ドレッドヘアは、旧約聖書の「髪の毛であっても自らの身体に刃物を当てることを禁じる」という内容に従う結果として頭髪が絡まってしまうことから始まっています。
大麻は薬草としての役割があり、精神をより穏やかなものにすると信じられているので、大麻の使用は正当な行為であるという位置づけです。
こうした宗教的な流れと切っても切れないレゲエミュージックを世界に広めたのがボブ・マーリーだったんですねぇ。ボブ・マーリーの死後は一旦はレゲエは下火になりましたけれど、今や世界的に一つの音楽ジャンルとして定着していますね。
アドレナリン、パンパンに出したい派のボクですが、時にはちょっと一休みして「気にすんな、大丈夫だから」とリラックスしてみようかなと思います。